キム チャンフェ
KIM Chan Hoe
金 賛會 所属 立命館アジア太平洋大学 アジア太平洋学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/03/31 |
形態種別 | 論文(学術誌・プロフェショナル誌) |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 〈講演〉韓国の昔話にみる狐伝承―日本との比較の視点から― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 昔話-研究と資料- |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 日本昔話学会 |
巻・号・頁 | 51,5-20頁 |
概要 | 日中韓三か国の東アジア文化圏において狐は、神として祀られる側面と嫌悪の対象となる二つの側面を保持するが、韓国の場合、文献記録においても狐は神として崇拝されるというよりは、特に嫌悪の対象となる傾向が強いと考える。こうした狐についての嫌悪のイメージは、韓国の昔話「妹は狐여우누이)」などの口承文芸の世界において、さらに顕著に表れているといえる。「妹は狐(여우누이)」」は、日本では「妹(姉)は鬼」「妹(姉)は蛇」などと、敵対者の妹(姉)の正体が必ずしも、狐とは限らない。また隣国の中国においても狐ではなく、虎、狼、妖怪などとなっており、日中韓の三か国の中で管見の限りでいえば、唯一韓国のみが狐となっており、その理由はなぜなのかについての検討が必要であろう。
本稿では日本の植民地時代に日本人の先生から聞いたという、「妹は蛇」の事例を含む、韓国全土で採集された七十七話の昔話「妹は狐(여우누이)」を詳細に検討し、先行研究の問題点や、その伝承様相などについて詳細に論じた。また、安倍晴明伝承のように、狐を母系としながら人間と狐の両文化を同時に継承し、超人的な活躍を見せる「姜邯賛伝承などの課題についても触れた。 |