フジイ セイイチ
FUJII Seiichi
藤井 誠一 所属 立命館アジア太平洋大学 国際経営学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/09 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | 日本におけるインクルーシブ・アントレプレナーシップの実践可能性― 障害者起業家のケーススタディ ― |
執筆形態 | 単著 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 立命館経営学 |
巻・号・頁 | 63(3),85-106頁 |
総ページ数 | 21 |
担当区分 | 筆頭著者 |
概要 | 経済協力開発機構(OECD)は,労働市場に参加できない人々を「ミッシング・ピープル“the missing people”」と呼び,これらの人々による起業活動をインクルーシブ・アントレプレナーシップ(“inclusive entrepreneurship”包摂的起業家精神)と定義している。この中で重要な人口グループであるものの,研究があまり進んでいないのが,障害者による起業である。本稿ではまず,インクルーシブ・アントレプレナーシップ,起業家精神,障害者の職業選択と起業,に関する先行研究を整理した。そして,国内で報告されている13 事例を取り上げ,そのうち3 つをケーススタディとして選択した。それらは,ユニフィカ,ミライロ,LIFE クリエイトである。そして先行研究でも議論されていた6 つの項目,社会との関係・サポート機器・外部ネットワーク・資金調達・支援機関からのサポート・教育・訓練に関する経験,を中心に検討を行った。その結果,3 事例の共通点として,創業者がすべて車いすユーザーであること・事業内容が障害者の支援に関わるものであること・企
業の動機は機会型であること,が見出された。一方6 項目における共通点は少なく,それぞれの創業経緯などに応じて,さまざまな状況があることが明らかになった。 本研究を通して,6 項目を中心としてケーススタディを比較することで,共通点と相違点が明確になること,インクルーシブ・アントレプレナーシップ自営業の道だけではなく起業による事業拡大への示唆が得られたこと,ロールモデルとしての ケーススタディの蓄積が重要であること,について成果が得られた。 |