ヒラノ ミハル
HIRANO Miharu
平野 実晴 所属 立命館アジア太平洋大学 アジア太平洋学部 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2023/12/30 |
形態種別 | 学術論文 |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 水の安全保障化と国際法政策の動向 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 水資源・環境研究 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 36(2),137-145頁 |
概要 | 今世紀に入り、「水の安全保障」の概念が注目を集めている。しかし、その定義が国際的に確立しているわけではない。むしろ、国家は独自の戦略的な狙いにより水問題を「安全保障化」させてきた。水を介した脅威を除去ないし低減させる対応策もまた、「平和と協力の道具としての水」や「持続可能な発展のための水」の理念の下で各国から示されている。国際法政策の動向に目を移すと、水の安全保障化に基づき例外的措置を正当化しようとする国家の法的主張が注意深く退けられており、他方で、協力を通じた越境水域の管理、武力紛争時の水施設と環境の保護、水・衛生・環境に対する人権の保障、生態系の保全などを推進する国際法制度を強化する傾向が見られる。水の安全保障を確保するグローバル・ガバナンスにおいて、安全保障理事会が担う役割への期待は高まっているが、武力紛争に関連する事態を超えて役割を拡大する際には、慎重な体制整備が必要となる。 |