ナカタ ユキヒコ   NAKATA Yukihiko
  中田 行彦
   所属   立命館アジア太平洋大学  国際経営学部
   職種   客員教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2008/03
形態種別 論文(学術誌・プロフェショナル誌)
査読 査読あり
標題 日本はなぜ液晶ディスプレイで韓国、台湾に追い抜かれたのか?-擦り合せ型産業における日本の競争力低下原因の分析-
執筆形態 単著
掲載誌名 「イノベーション・マネジメント」 (法政大学イノベーション・マネジメント研究センター)
巻・号・頁 5,141-157頁
概要 著名な雑誌への論文掲載・雑誌番号:149
日本は、液晶ディスプレイを研究、開発、事業化し、液晶産業を創造、成長させてきた。近年韓国と台湾は大きく液晶の生産量シェアを拡大し日本を追い越した。
なぜ日本は韓国、台湾に追い抜かれたのか?
競争力低下の原因をアーキテクチャと投資戦略の視点から分析した。
日本が韓国、台湾に技術移転した理由は、通貨危機、パソコン市場の近くでの安価生産、資金調達が挙げられる。しかし液晶以外も技術移転されていることから、「囚人のジレンマ」の理論で説明できる。
また追い抜かれた最大の理由は、投資戦略の相違である。日本は、シャープを除いて、前期利益に影響される投資戦略を取る。韓国はビジョンに基づく積極投資型、台湾は外部調達・積極投資型と言える。この投資戦略の相違が日本が追い抜かれた最も大きな要因である。
また、液晶産業は「標準装置」が無い「モジュール型」産業である。しかし韓国、台湾が積極的に投資した第5世代の液晶生産装置は、「暗黙知」が組み込まれた完成度が高い装置であった。日本は先発者として第5世代以前のラインに投資していたことが負の遺産として働いた。このように韓国、台湾は、積極的な投資と第5世代装置により、後発者利益を享受し日本を追い抜いた。
この分析結果から、技術移転を行う企業行動は「囚人のジレンマ」のゲーム理論で説明でき避けるのは難しいが、最大の原因は投資戦略にあり、ビジョンに基づく積極的な投資が重要である。